喋りだしたら、パパ!いや!!だった
パパになった実感がない、と夫は自分でよく言っていた。
二人目が産まれても、それは変わらなかった。
娘にパパって呼ばれたら実感が湧くらしい、と誰かにもらったアドバイスを、夫は信じていた。
一人目が喋り出したときは、パパ!ではなく、パパいや!!!
だった。
それには夫もショックを受け、娘の前で俺を上手にたてないからだ、と私のせいにしていた。
こどもは、自分を優しくお世話する人のことが好きになる、ということが、夫には分からなかった。
次は、レアキャラな自分を、娘たちは小学生になった頃喜ぶようになるだろう、というポジティブな期待を一人で持っていた。